起業スイッチ

導入

飲食店向けの物件仲介や資金支援事業、全国で70店鋪を超える提携店の運営、牧場との共同生産など、2008年の創業以後、飲食業界のインフラ役となって幅広く事業を展開してきたあどばる。

今年の3月には、全国各地のレンタルスペースを探せるサイト「スペなび」を開始して、既存の領域にとどまらない更なる拡大を目指している。

常に新たな挑戦を続けるあどばるについて、代表の中野氏にその創業ストーリーと、これから目指していくその先を伺った。

1-1

起業なんて自分にできると思っていなかった

ー幼少期の頃から将来起業したいという想いはあったんですか?

全くないですね。中学生の頃はモテたいと思っていて、高校生の頃は大学に行ってコンパしたいと思っていました(笑)

ー普通の子どもだったということですね(笑)

はい。それで大学に入って、就活では不動産業界か金融業界を志望しました。

でも僕理系だったんで、理系の人はメーカー系とかは行きやすいですけど、不動産とか金融業界って文系が多いんですよ。理系で目指すのは不利だなと思って。

だったら面接の時に本気度合いを見せなきゃいけないなと考えて、宅建っていう不動産の資格を取ってからいこうと。一般的に宅権は入社後に取ることが多いのですが、それくらいしないと、理系のやつが不動産業界を受けに行っても「100社受けてるうちの1社でしょ」って思われちゃうなって。

ーなるほど。

それで希望していた不動産の会社に受かったんですけど、内定が出た後も入社後の仕事をいろいろと調べていましたね。その頃は割と真面目に将来を考えていました。

ただ独立志向は全然無かったですね。そんなこと自分にできるなんて思っていなかったんで。

ーそうだったんですね。入社後はどんなお仕事を?

面接の際の本気度が伝わったのか、新規事業の準備室に入れてもらって、いろいろと学ばせて頂きました。その上司には今でも感謝しています。

それで2年半くらい経った時に、月の売上げ200億、利益20〜30億という記録を立てたんですよ。相当頑張ったんですが、他のメンバーとボーナスに差が出るわけでもない。

23、4歳なので仕方ないかなって思ったんですけど、その時に知人の社長さんから「うちの会社、外資系だから厳しいけどその分給料も良いから頑張ってみないか」ってお誘い頂いたんです。

僕も一回厳しくてもやりがいのある環境で頑張ってみたいなと思ったんで、上司にも相談して転職することにしました。

ー気持ちよく送り出してくれたんですか?

そうですね。入社してまだ2年半なので「もうちょっと頑張れば」と言われたりもしましたけど、考えた末の決断だったので理解してもらえました。

それなら友好的にということで。上司と新しい会社の上司と僕の3人で食事会をセットしたりとか・・・(笑)

ーそうとう珍しいですね(笑)

気持ちよく次の会社に行かせてもらえましたね。

1-2

人生で一番勉強したコンサル時代

ー新しい会社では何をやっていたんですか?

富裕層の資産コンサルです。不動産の知識しかない23、4歳が活躍できるはずもなくて、1、2年下積みしながら、英語も喋れなかったのを「This is a pen」くらいから勉強しました。

普通に朝4時に呼び出しとかありますからね。ニューヨーク時間に合わせて。夜も当然遅くまで仕事をして・・・。海外出張にも連れて行ってもらったり、かなり知見を拡げることができました。

ー中野さんは勉強家ですね。英語勉強したり、宅建もそうですし。

コンサル時代は人生で一番勉強しましたね。英語も喋れないし、海外も行ったことないのに海外のことを話せなきゃいけない。

会議も英語なので、何言ってるか分からないんですよ。みんな笑う時に一人だけちょっと遅くて(笑) だから焦って勉強しましたね。

ーなるほど(笑)

あと、最初はやっぱり営業しても全然相手にされないんですよ。富裕層のお客さんたちに「こいつと付き合って意味あるな」って思ってもらわないといけないんですが、24歳と人生経験も浅い中、なかなか相手にしてもらえませんでした。

最初の1年は悔しくて泣いていましたよ。いつクビになるんだろうと思っていました。

3年くらい経ってようやく実を結んできて、そしたらめちゃくちゃ楽しくなりましたね。

ー這い上がったんですね。

今思うとやって良かったなと思います。ずっと不動産会社にいたらできなかった経験でした。

「自分も社長になりたいな」っていうのもその時に初めて思ったんです。

1-3

大きな判断をやる側になりたかった

ーそこで思ったんですね。

お客さんである、いろんな社長の話を聞く中で「こういう会社買おうと思うんだけど」とか「資金調達手伝ってくれない?」とか相談されるんですね。そこで、社長っていろんな判断をしなきゃいけない職業なんだなと思って。

コンサルって自分で判断しないじゃないですか、大きな判断に迫られた社長に「僕の意見はこうです」というくらいですよね。その大きな判断をやる側になりたいと思ったんです。

ーなるほど。起業までの流れはどんな感じだったんですか?

取引先の事業開始時の資金調達に携わることが多かったんですけど、飲食店鋪開業のご相談もたまにあるんですよ。

興味を持って調べてみたら、飲食店鋪の開業って賃借権とか不動産の知識が必要だし、資金調達も重要。これまで学んできたノウハウを活かして自分でできるのではと思ったんです。

資産運用をやっていたので、だいたい富裕層の方が望む利回りとかも分かりますし。

こうした経験を重ねるうちに、どんどん起業について意識するようになりました。最終的には、当時の社長にも事業内容やその意思を伝えて、承諾を得てから起業準備を始めました。

ー準備して着実に進めるタイプですよね。

嘘ついたり騙したりは好きじゃないので、あらかじめそういうのはちゃんと断っておきたいんですよね。

会社も2007年に辞めたんですけど、起業後も2009年くらいまでは社外役員をやっていました。後継者が育つまでは無責任に辞めたくないと思ったんです。

新卒で入った会社の社長とも半年に一回とか食事しますし。お世話になった人には、今でも利益返したいなと思って別で仕事したりもします。

ー辞めるといっても、縁を切るわけではないですもんね。にしても気配りが素晴らしいと思います。それで法人化して、会社設立の手続き関係はスムーズに進みましたか?

そうですね、前職で会社を作った経験があったので。税理士さんとか会計士さんともたくさん提携していましたし、ある程度分かっていましたね。これはどこにお願いしたらいくらとか、これは自分たちでも出来るとか。

なので、任せる部分は税理士さんにそのまま任せちゃうっていう感じですね。

ーなるほど。知識があったから気にせず任せられたと。

1-4

高校の同級生と2人で、マンションの一室から

ー仲間集めはどのように?

知り合いの中から一緒にやりたい人に片っ端から声をかけて、そしたら僕の高校の同級生が入ってくれることになりました。

その彼は当時ペンキ屋さんで、全く経験がないところから今は財務をやってくれています。

ーペンキ屋さんから財務ですか。

彼が良いなと思ったのは、高校の時に遡るんですけど、ずっと成績がビリだったのに、1回本気を出して勉強したら成績が1位になったんですよ。それで「おぉ、こいつ頭良いんじゃん」って。

あと麻雀も強くて、株式投資とかパチンコとかも分析してやっていて。思考プロセスがちゃんとあって、頭の回転は早いと思っていたので、あとはやる気だなと。そしたら二つ返事で「やる」って言ってくれたので不安はありませんでした。

それで2人でマンションの一室から始めました。

ー人を見るポイントがめちゃくちゃ面白いですね。

そのタイミングでたまたま前の会社が人が足りないと言っていたので、まず彼にはうちの仕事と掛け持ちしてもらって、社会人経験を積んでもらいました。僕の前の部下も「経理の簡単な業務からやってもらうので大丈夫ですよ」って言ってくれて。

ーなるほど、業務委託で勉強を積まれたんですね。面白い採用プロセスです。

彼を見て、人はやる気で何でもできるんだなと思いましたね。

元々は「起業なんて自分にできると思っていなかった」という学生時代から、不動産やコンサルの仕事を経て着実に成長。経営者たちと接する中で会社経営の魅力を感じ、起業に至った中野氏。

独特の採用方法で組織を拡大しつつ、コンサルで学んだビジネススキームを活かして、その後は次々と新規事業を立ち上げていく。

-Part2に続く-

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