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【Part1】「大きな判断をやる側になりたいなと思ったんですよね」あどばる代表、中野氏の目指す核のある組織づくり

飲食店向けの物件仲介や資金支援事業、全国で70店鋪を超える提携店の運営、牧場との共同生産など、2008年の創業以後、飲食業界のインフラ役となって幅広く事業を展開してきたあどばる。

今年の3月には、全国各地のレンタルスペースを探せるサイト「スペなび」を開始。代表の中野氏は独特の採用方法で組織を拡大しつつ、コンサルで学んだビジネススキームを活かして、次々と新規事業を立ち上げている。

2-1

組織と事業を順調に拡大

ー1人目の社員さんの採用プロセスは非常にユニークですね。

実は・・・その社員の弟もうちの会社にいるんですけど、彼も昔パチプロやってたんですよ(笑)

それで久しぶりに「今なにしてるの?」って聞いたら「山に籠ってアプリを作っている」って。住み込みで1,2年働きながら研修を受けていたんです。

昔から兄弟で面識はあって、麻雀とパチンコが出来る男で、分析したりとマメだと知っていました。その上アプリも作れるなら面白いなと思って来てもらいました。

ー学歴採用の真逆ですね。御社の採用は転職サイトに出すとかじゃなくて、もっと違う方にエッジを効かせた方が良いんじゃないですか。パチンコ屋に並んでいる人に声をかけるとか(笑)

ロジカルに勝ってる人だったら良いですけど、負けてる人が来ちゃったら困るじゃないですか(笑) パチンコである必要もないですし・・・でも、麻雀強い人は頭良いんじゃないですかね。

ーそうですね、麻雀は仕事出来る人がだいたい勝ってたりしますよね。採用が面白いのはよく分かりました。それで組織拡大はどのような流れで?

2人目の社員は同級生で、彼は2年半くらいいた後に自分で会社を作って独立しました。

そのあとは2年目に、監査役の元部下の女性が入ってくれましたね。それで銀座に事務所を移して・・・3,4年目までは基本3,4人でやっていました。

うちのコアビジネスって飲食店への場所貸しなので、良い場所を抑えておけばほぼ負けないんです。2,3年目で運営店舗が20以上あったので、収益は安定していました。

ー立ち上がりが早いですね。

そこから僕がいろんな新規事業に投資をしていくので、その分減っていくっていう・・・いやその瞬間はマイナスですけど、ちゃんとそのあとプラスになるんですよ(笑)

ー事業を多方面に拡大していったわけですね。

そうですね。まずは自分たちでも飲食店をやってみようと、でも普通にやっても面白くないなと思い。ぐるなびさんとのコラボで地方自治体の食材をPRするお店を始めたんですよ。

2ヶ月ごとにPRする自治体とメニューが変わるんです、例えば2ヶ月間三重県の食材とメニューを提供し、次の2ヶ月は茨城県の食材を使ったメニューを提供する。都心にあるアンテナショップのレストラン版を、うちが代理で運営するようなイメージです。

ーなるほど。それはなんでやろうと思ったんですか?

もちろん事業収支上儲るからというのはありますが、アイデアが面白いと思ったからです。まだ世の中になかったので。

PRできない地方自治体の悩みと、PRできるぐるなびさんの強みを、うちが大手の会社がやらないような調整までフットワーク軽くやればマッチングするので、これは面白いなと思いました。

その中で、例えば三重県は松阪牛のイメージがありますが、お茶牛っていう伊勢茶を飲ませた牛がいて、認知度は低いけど本当に美味しいしリーズナブルなんですよ。

地方にはたくさん面白い食材があるんだって知って、そういった食材はその後もお取り引きさせてもらったりしています。

2-2

コンサル時代に学んだビジネススキームを活用

ーなるほど。ビジネスモデルが綺麗ですよね。

前職が金融商品を作る会社だったので、欲しい人とやりたい人のニーズが合えば何でもありだと思っています。

ー牧場もやられていますが、これも同様の流れで?

そうですね。そのお店で千葉をPRする時に、香取の牧場の豚を使おうっていうことになったんですけど、そこで牧場の経営者さんと意気投合して。

卸先に困っていらっしゃったので、うちが豚舎を新しく作って、そこで出来た豚を優先的に卸してもらう形でお取り組みを始めました。運営店舗の食材の仕入れ値も下げられますし、産直とか自社生産だと消費者も安心するので、誰も損しないなと思って、トライしてみたのが千葉の牧場です。

それが思いのほか良かったので、牛とか鶏にも拡げていきました。

ーやっぱりその辺のスキーム作りは賢いですよね。

突き詰めるとどこにいけば良いかなというだけの話ではないでしょうか。

「価格下げてください」って問屋さんに言うのは簡単ですけど、下げられる限界ってあるじゃないですか。そこで大元を辿って行くと生産者さんに行き着くんですけど、じゃあ生産者さんが買い叩かれて困っているものってなんだろうなっていう。

農家さんが事業を拡げる時に資金調達のサポートをしたりと、お互いがハッピーになるスキーム作りは意識しています。

ー素晴らしいですね。

前職の社長の教えで、ずっと全員が幸せになる金融商品を考え続けろって言われていたんです。

お客さんのニーズを掘り当てて、金融商品を作りましょうっていうのをやっていたので、課題があってそれに対するソリューションを考えるのは、結構早い方だと思います。常に考えているので。

ーなんでもできそうですね。

2-3

今後は核となる事業をつくる

ただ最近思うのは、強みを見つけたらそこで一点突破していかないと突き抜けないなと思っていて。

ー突き抜けるというのは?

売上とか利益ですね。

ーなるほど。そこはかなり意識されているんですか?

ここ一年は意識していますね。それまでは「他には無いものを作ればお客さん喜んでくれるし良いじゃん」って思っていたんですけど、それだと汎用性がないんですね。

僕たちはニッチなところで勝負しようと思っていたので、汎用性がある大きな事業は自分の専門じゃないなとずっと思っていたんですけど。最近役員会でも「儲らない仕事好きだよね」って言われたりして(笑)

ーでも人間味あってそこが良さだったりもしますけどね。儲ることを考えるのはみんなやっているし、そこがオリジナリティだったり。

そうですね。まぁでも社員とかどんどん増えていますし。

それに新規事業を立ち上げ続けるのは、急にアイデア出なくなったら終わってしまうので、それだったら核となるものを作ってちゃんと伸ばした方が良いよねっていう。

いろんなことをやっているというのは、強みでもあり弱みでもあると思うんです。

ーなるほど、良い感じに経営者になっているんですね。前はプレイヤーだったんですかね?

今でもプレイヤーですけど、前よりは意識してマネジメントにシフトしています。

ー経営方針とか組織作りのターニングポイントなんですね、楽しみです。最後に今後注力していく事業についてお聞かせ頂けますか。

今は「スペなび」というレンタルスペースのポータルサイト事業を盛り上げたいなと思っています。

スペなびは、今年の三月に買収して運営を始めました。うちの「Lounge R」というレンタルスペースは、スペなびからの予約が一番多かったんですよ。他社さんのサイトや検索エンジンよりも、スペなびからがダントツで多く、集客にとても助かっていました。これは飲食店の遊休スペースの活用など既存事業ともシナジーを産むし、幅広く役に立つサイトだなと感じて買収したんです。

まだまだ伸びるサイトだと思うので、もっとユーザーが使いやすくなるように改善していきたい。今はスペなびに全力投球し、核となる事業に育てたいと思っていますね。

2-4

創業後、中野氏の圧倒的な人間力とビジネスセンスを指針に、様々な事業を展開してきたあどばるだが、組織が拡大し、新たな領域への挑戦を開始するこのタイミングで、大きな変革期を迎えている。

ビジネスマンとして強い個性をもったリーダーが、組織作りに全ての力を注いだ時、果たしてどのような進化を遂げるのか・・・。中野氏に迷いは全くない。

ー楽しさは変わらないですか?

はい、楽しさは変わらないですよ。会社が大きくなるということは売上とか利益が増えているということで、それはお客さんがついてくれているということで。

それが従業員にもうまく還元されていれば、一番楽しいですよね。

-END-

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