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【Part1】「ビジネスとしてどうなるかは正直分からなかったんです」レレレ代表、山本氏の気張らない経営

誰もがネット上で簡単に自分の空き時間を売れるサービス「Time Ticket-タイムチケット-」や、一緒にお茶をしたい人と繋がれるサービス「Coffee Meeting-コーヒーミーティング-」などを運営するレレレ代表、山本氏。

幼少期からの「人と違うことをしたい」「もの作りが好き」という想いに正直に生きて、一風変わったコンセプトのサービスを生み出し続ける山本氏だが、ここに至るまでには迷いや大きな失敗も経験してきている。

0201

メディア露出よりもサービスの改善が大事

ー出資を受けたタイミングで一気に人を入れて、組織を拡大するというパターンは多いと思うんですけど、人を入れていくことはあまり考えていないんですか?

もちろん考えてはいますが、今のところ「サービスのここに人を入れれば一気にグインッと急成長する!」っていうのがまだ見つけられていないので、そこが見えてからですかね。まぁ、あがいています(笑)

ーいえいえ正攻法だと思いますよ。そうあるべきかと。

あと僕の場合は企画もコードもデザインも自分でできることが多いので、ついつい自分でやっちゃいがちですね。

ーそうですよね。じゃあお給料の振り込みとかも今は自分でやっているんですか?

やってますよ。自分から自分に役員報酬を(笑)

今運営しているタイムチケットというサービスでも、毎月のユーザーさんへの振り込みは自分でポチポチやっています。

ーここも、もっと数が増えてきたら人を入れて、ってことですよね。

そうですそうです。

ーなるほど、健全ですね。でも最近はメディア露出も多いじゃないですか、テレビにも出演されて。潮目が変わってきてるんじゃないですか?

テレビもこっちから積極的にメディア戦略とかして出して頂いたとかならいいんですけど、基本的に待っているだけなので、たまたまですけどね(笑)

ーでもテレビはそんなものだと思いますけどね。

時代に則した嗅覚は何となくある気がするので、それで取り上げて頂いているのかなとは思います。

ただメディア露出はサービスの急成長にそんなに影響はないと思っています。CMとかは別ですけど、1番組に10分出ただけで大きく変わるサービスはなくて。

それよりも、内部の改善とかの方が大事ですね。

ー良いですね。テレビなんかは憧れもあったり、取り上げてくれたらブレイクするのになとか、言い訳にする人もいるじゃないですか。

瞬間で影響はあると思いますよ。ただ長い目でみた時、カーブのきっかけになっているってことはないんじゃないかなと思います。

0202

アドバイスを聞き過ぎた、フレンドトスの失敗

ーコーヒーミーティングを出した後はどうされていたんですか?

2013年に「フレンドトス」というサービスを出しました。でも3ヶ月くらい「あーでもないこーでもない」ってやって、結局完成までに1年くらいかかって。

最終的に出したことは出したんですけど、ダメでしたね。こうなるのなら途中で辞めた方が良かったなと。

やっぱりある程度のところでも「これはいける」っていうシンプルなコンセプトがあって、ぱっと見で面白いと思うものじゃないとダメじゃないですかね。

ーなるほど。

とはいえなかなか辞められないですけどね、半年くらいやっちゃったら。

でもリリースした後が嫌で。プレスリリースまで出して「えー・・・」って(笑) 「リロードが怖い!数字が伸びてない!」みたいな、あの気持ちはもう味わいたくないですね・・・。

ー数字を伸ばすための施策は打たなかったんですか?

これはそこまで自信がなくて、案の定って感じだったんで、あがく気力もなかったですね。

開発が伸びて時間が経つうちに、自分の中のテンションも下がちゃってたんでしょうね。

ーそれはありますよね。起業も、最初は勢いとかオーラがあった起業家が、だんだん元気無くなっていくみたいな。投資家さんには相談されていたんですよね?

していました。これもコーヒーミーティングと同じで、たくさんの人に意見を聞いたんですよ。でもコーヒーミーティングと違って、反応はあまりよくなかったですね。

それでアドバイスを聞いたりとか、ちょっと人に媚びたんですね。たくさんの人が欲しがるものを作ろうとしてしまって・・・思いきり失敗しましたね。

だから次のサービス(タイムチケット)では逆をやってやろうと。自分が欲しいと思うものを作ろうと決めました。

タイムチケットは「お金が絡んでいるから面白い」

ー原点に戻ったんですかね。

そうですね。次のタイムチケットはほとんど人にも話していません。いきなり作って出した方が面白いだろうなと思って(笑)

ータイムチケットはビジネスにもなっていますよね。

そうですね。僕は元々ビジネスに消極的で、無料なのがインターネットだと思っていたので、モードを切り替えるのが難しかったですね。

でも「お金を払うことで面白くなる」ようにしたんです。

タイムチケットは無料でやるより、お金が絡んでいるからこそ面白くて、だからメディアにも取り上げてもらっていると思うんです。「自分の時間をシェア」だったら弱くて「売る」だから面白いっていう。

ーなるほど!確かにそうですね。

あと売上が上がるというのは、会社のサービスとして価値があるなと感じるようになりましたね。

ー元々は、たくさんの人に使ってもらいたいっていう想いでやっていたんですよね。今もそれは変わらず?

はい、もちろん今もありますよ。そこにひとつの尺度として、売上が加わった感じですね。

売上があるのは良いことだなと思いました、ユーザーさんがお金を出してくれて、それに見合うサービスを出していくっていうのは。

0203

実践する気張らない経営

ーなるほど。山本さんって不思議な人だと思うんですよ(笑) 起業する人の中には結構な割合で、売上で1000億目指そうとか、自分の資産を増やそうとかって思っている人がいますが、そういうのはないんですか?

そこは僕は全くないですね。自分はどうでもいいんですよ。会社としての売上も、そんなにどうでもいいんですよ(笑)

それよりも出したものが10年後に語られるとか、ブームを作るとか、そっちに興味がありますね。

ーそれで食べていけているんで、すごいですよね。今後、今の一人会社から二人目が入ってきた時って大きく変わると思うので、そうして組織が出来てきた時に、どうなっていくのかが楽しみですね。

そうですね。全然自分と違う価値観の人が入ってきても、それはそれで面白いかなと思いますね。

でも自分が組織を作って事業をやるなら、このサービスは誰々のものだよねっていう、個人サービスの名残が残っちゃいそうですね。このサービスの責任者はあなただよねっていう。

ーなるほど、新しい形の会社かもしれないですね。社員が10人いたらサービスが10個あるみたいな(笑)

そうそう(笑)

個人的にはみんなで話し合って一つのものを作るっていうのは納得いかなくて、どっちかっていうと、例え間違っていても誰か一人が決めて「よしこれだ!」って進めた方が、尖ったものができるんじゃないかと思うんですよ。

ー次のサービスも準備されているんですか?

そうですね。2015年に何か出したいなと、1年に1個くらいは出していきたいので。

ー領域的には?

僕の場合はやはり個人が発信できるサービスとか、個人を応援するサービスを出したいですね。

ーなるほど。世界をじわじわと温かくしていく感じがありますね。

そうですね、そういうのが好きですね。

ー良いですね。今年37歳ということで、どういう風に歳をとっていきたいですか?

あと10年くらいはこのままいきたいですけどね。

でも10年かぁ・・・今10歳と9歳の子どもがいますけど、その頃には成人してるかもしれないのか。

ーお子さんたちは、お父さん何してると思ってるんですかね。

何か面白いことをやってるとは思っているみたいですよ。

テレビで僕がプレゼンしているのを、やたら長男が真剣に観ていたらしくて(笑) あとで聞いたら学校で発表する場があって、こういうやり方があるんだって見ていたみたいですね。

ー今後、山本さんみたいな起業は増えていきそうですね。みんながみんなIPOを目指してとか、1000億を目指してとかではなく、自分のライフスタイルとか好きなものとか、大事にしたいものを守りながら、そんなに規模にも拘らず自分の価値観で経営していく。

そうですね。コーヒーミーティングで起業前の方ともお会いしますけど、実際そういう相談も多いですよ。

やっぱり全体的にスタートアップをやりたいっていう人が増えていますよね、裾野が広がったんじゃないですかね。

ー身近になった感がありますよね。最近はヒルズに入りたいとか、フェラーリに乗りたいって人、逆に少ないですよね。

そうですね。

ー気張らない経営というか。そういう意味では先を行っているんじゃないですか?ビルに入っているイメージないですもん、アトリエにいそうです(笑)

なるほど(笑) でもそういう雰囲気の方が好きですね。

0204

自らの感性を信じ、世にその価値を問う山本氏の生き方は、まるで職人や芸術家のようだ。

しかし生み出されるものは決して無機質でなく、人と人とを繋ぐ、温かみのあるサービスばかり。自身が欲しいと思ったものを作っているからこそ、同じくスタートアップに関わる人たちや、フリーランスとして働く人たちにも受け入れられている。

今後、山本氏のような起業をしたり、一つの会社に縛られない働き方をする人たちが増えていくにつれ、レレレのサービスもより成長していくのだろう。

山本氏、そしてレレレのサービスは、世の中に新たな生き方の選択肢を提示している。

-END-

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