起業スイッチ

【Part1】「いろんなことを想定して、いろんなことを覚悟して起業したので、大体のことは’あるある’です」LiB代表、松本氏の起業家としての覚悟

ハイキャリア女性のための転職サービス「LiBz CAREER(リブズキャリア)」を運営する株式会社リブ。

代表の松本氏は前職のトレンダーズにCOOを勤め、東証マザーズへの上場を実現。ベンチャー企業の立ち上げから上場までを経験し尽くした松本氏は今、強い覚悟をもって新たな挑戦を開始している。

2-1

イノベーションを加速させるために「商売たれ」

ー最近の起業は、きちんとキャッシュフローを回していく「商売」でなく「起業ゲーム」の傾向が強くなってきているというお話、とても興味深いです。もう少しお聞かせ頂けますか。

当たり前だけど売上がない会社は続かないです。売上がなくても認められて「こいつらいつかドッカンと跳ねるぞ!」っていうのが許容される会社なんて本当に一部ですよね。

99%の会社は資金が無くなって、資金が無くなったらアクセルも踏めなくなるし、人も採れなくなる。それで結局身売りしたりとかシュリンクしたりとか、消えていったりするんじゃないかと。

なので、ノイズ気にせず自分の商売を着実に積み上げていった経営者が、この先も生き残ると思っているし、できなかった経営者は苦しくなるだろうし・・・。余計なお世話ですけど、いつまでもベンチャーバブルが続く訳がないので、早いうちからもっと足下をちゃんと見た方がいいなって。

ー最近だと「お金を稼ぐつもりはない」という起業家さんも増えてきていますよね。

自分のお金でやるなら好きにすれば良いと思うんですよ。ただ人様のお金を預かってやるのなら、ちゃんとリターンを出さなきゃいけないです。あっちは投資なので。

ーおっしゃる通りですね。

世の中に提供した価値の総和が売上だと思います。「ちゃんと自分たちの手で商売として回していくんだ」っていう起業が増えれば、もっと良いと思うんです。

ベンチャーが自社のサービスにお金を払って頂くってすごく難しくて。その頂いたお金に見合う価値を返して満足して頂くのはさらに難しくて。さらにリピートして頂き、利益というお金を残す。そして自分で稼いだ利益を投資するってまたまた難しくて・・・。でも、その難しさこそに商売の原点があると思っていて、結局はそれが実力じゃないですか。

身の丈以上のことをしちゃダメで。身の丈を分かりながらも、最大限のスケールを目指していくっていう、ここのバランスがすごく難しいポイントな訳で。

なりふり構わずKPIだけ伸ばせって言われたらやり方はいくらでもあると思うんです。でもそれって経営の半分もかじっていない。何事も縛りがないとつまらないですよね。決められたルール・制約の中で突き抜けることの難しさというか。

ーなるほど。それが近年は、商売を二の次に考える空気だったので少しやりづらかったと。

たまに「リブさんは儲けることもしっかり考えてるんですねー」って驚かれちゃう事もありますから。そりゃ社長やってれば会社のために考えますよ(笑)

僕は地に足つけて、商売をきちんとやろうと思っています。その上で一日も早い事業成長、事業スケールを目指しています。

僕のミッションはうちの会社に懸けて頂いたステークホルダー、社員、みんなを幸せにするために全力投球する。そのために商売を永続的に回さなきゃいけないと思っています。もっともっと売上も出して、もっともっと利益も出して、会社の規模も大きくして、関わった人たちみんなを幸せにしたいですね。

まだなにも出来ていないので偉そうなことは言えないんですけど、起業するからには全ての事に責任があると思うんです。巻き込む仲間を幸せにしなきゃいけないし、集めた投資資金もリターンをお返ししなきゃいけないし。

売上も商売のことも考えずに無理な経営をした結果、失敗して、株主から「ベンチャー投資してもダメだな」とか「あいつらに投資しても儲からないぞ」とか思われたり、せっかく覚悟を決めてベンチャーに参加したのにすぐ潰れたとか、そんな無責任なことやっていたら日本の起業ムーブメント自体が終わっちゃうじゃないですか。

大化けして大当たりできれば一番良いですけど、大当たりできなくても、それなら中当たり、中当りしなくても小当たり。そうやって関わった人たちが死んでいかないような、バカを見ないようなことをちゃんとやっていかないと、起業の新陳代謝が絶対起きないですよね。

ー起業の新陳代謝。なるほど。

もちろん言わずもがなですけど、イノベーションも大事なんですよ。うちも今までなかなか人がやらなかった大きな壁のある領域、女性がどうやって大企業で働き続けるのかとか、答えがないけど誰かが解決しないといけない問題とは向き合っていて。

難しいことに挑戦するのは良いことだと思うんです。なのでイノベーションとか、課題を解決するっていうスタートアップの姿勢はあくまで大前提で。言い訳にするべきではないというか。やはりまずはきちんと「商売たれ」と思います。

ちゃんと商売として回すところに、起業の一番の面白さがあると思うんですよね。

ーそれが結果としてイノベーションも加速させると。

そう思っています。

どっちも大事ですね、商売も大事、スケールも大事。

2-2

働き方のフォーマットを変えていきたい

ーこれから目指していく先についてお聞かせて頂けますか?

今はうちはキャリア女性の活躍の支援をやっていますが、大きく見ている世界は、働き方のフォーマットを変えたいと思っています。

これまでって企業と個人の関係がすごく画一的で、「朝ちゃんと来てスーツで働く。以上!」みたいな。それが今後は、男女関係なく個人の社会参加の仕方、働き方が変わっていって。

結論を言うと、働く場所と時間の制約が外れていくと思っているんです。

Bizerなんか典型的じゃないですか、そういった方々のためのサービスですよね。

ーそうですね。運営するビズグラウンド社自体もリモートワークを取り入れていたり、働き方という面では柔軟ですね。

ですよね。そういう風に、場所と時間の概念が変わっていく中で、今はその変革期だと思っています。

例えばエンジニアさんってもう時間と場所の制約が壊れ始めていて、優秀な方は「朝から夜までいてください」って言ってもなかなか来てくれないじゃないですか。リモートとか、自由に働いて良いですよってしないと。

それはエンジニアっていう職種が外で仕事しやすいっていうのもあるんですけど、希少価値が高いから通用しているんですね。今後、営業だろうが広報だろうが優秀な人たちはもっと「時間にも場所にも縛られたくない」っていう世界になっていくと思うんです。

ーなるほど。

働く場所と時間に柔軟性をもった、企業と個人の関係性を作っていきたいというのが我々の裏テーマとしてあって。

そしてこれがクリアできれば、女性の働き方の問題はほぼ解決するんですよ。育児や介護の時なんかは時間と場所の制約が生まれるので、フルタイム前提の働き方だとどうしても二者択一になってしまう。

ですので、働き方のフォーマットを変えたいというのが、僕のやりたいことです。結果、生き生きと働き続けられる人が増えれば良いなと思っています。

ー今の日本の環境は、あまりに女性が働きづらいですよね。

そうですね。日本は今後ただでさえ働く人が減るのに。

世界をみるとまだ女性が大学行けないとか、勉強を男性以上に受けられない国ってごまんとあって、これだけ教育において男女の性差がない国って珍しいんですよ。

日本の女性はすごく教育を受けていてポテンシャルがある・・・にも関わらず働き続けられない。労働人口が減っていく中で、せっかく高いポテンシャルがあるのに働き続けられないって、ナンセンス以外の何者でもないですよね。

この問題は誰かが解決しなきゃいけない。一筋縄にはいかないですけどね。

2-3

資金調達やIPO、M&Aのニュースが毎週のように飛び交い、スタートアップバブルとも言われる近年。

そんな中、決して周囲に流されることなく、自身の豊富な経験に裏打ちされた、商売とスケールを両立させる経営をもって、松本氏は「働き方のフォーマットを変える」という難題に挑んでいる。

-END-

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