起業スイッチ

【Part1】「プレゼンの先生は竹中直人さんです」子役、調理師を経て起業したTANREN代表・佐藤氏の物語

スマートフォンやタブレットから接客業務のロールプレイング動画を撮影、クラウドにアップすることで、接客ノウハウの共有や、改善点の相互フィードバックなどを実現する、ナレッジシェアアプリ「TANREN」。

2014年10月に当社を設立し、翌年の4月にサービスをリリースした代表の佐藤氏は元々、子役や調理師、携帯電話販売業界の人材育成と、特異な経験を積んできた起業家である。

スタートアップのピッチイベントでも、数々の賞を受賞。今勢いに乗るTANRENだが、ここに至るまでには数々の苦難もあった。

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リリース後3ヶ月間は期待した反響がなく、紹介で開拓

ー携帯の販売店でも、例えば商品説明が自然と完璧に出来る人もいると思うんですけど、それを科学してビジネスに乗っけるというのは面白いですね。

商品説明も突き詰めると出来る人の受け売り、丸コピですよ。丸コピすることは悪だと思っていなくて、販売店のスタッフにも良い人を真似ろ、コピーできるところは全部コピーしろと言っています。

僕も昔「凄い!」と思った人がいて、タバコの吸い方から真似しました。私生活も出来るだけ一緒に過ごして、ご飯の食べ方も真似して、丸コピ丸コピしていると、必然的にその人の話し方であったり、間であったり、抑揚までもが乗り移ってくるんですよ。

でもそうしていくと、どこかでアレルギー反応が出るんです。どうやったって真似できないところ。そうやって残ったところが、自分のオリジナリティになってくると思うんです。

この人凄いなと思ったら丸コピ、アレルギー反応が出るところを削って、残ったところをオリジナルとして作っていく。その繰り返しですね。

ーなるほど。

これ僕のメソッドなんですけど、2割の成績上位層、6割の中間層、2割の下位層に分けた時に、上位層は下位層の面倒を見なさい、中間層の上半分は2割の上位層を見なさい、下半分は自分で悶々と考え続けなさい、です。

6割の中間層は自然と2割の上位層か下位層に傾くので、あまり手をかけない方が良いと思っているんですね。これでマネージャーに指示出しをしてもらって、今まであまり店鋪の数字がぶれたことがない。今後、この辺りのアナログメソッドもバージョンアップで反映させていくんですけど。

下位層にいた自分に声をかけてくれたのは、すごくすごく上位層。あまりにすごい人間を見ると、自分の小ささに気づいて刺激をもらえるんです。

あと下位層が仲間を増やすといけないので、2:6:2が黄金比で、2割を超えてはいけない。上位層の人間が二言三言かけてあげて、0.1%でもいいから自分の能力を少し伸ばせと、そうすると2割から増えることはないんです。

ーこういったメソッドって、ご自身の頭の中にはあったと思うんですけど、サービスに落とし込むのは大変じゃないですか?

超大変です。トラウマですけど、TANRENはリリース後の3ヶ月間は期待したほど反響はありませんでした。「すごいですね!」という感想がSNSのウォールに並ぶだけ。笑

「企画はいいけど、じゃーどうする?」と、二の足を踏むお客様は多かったのが最初の2,3ヶ月で「うわ、これめっちゃ課題じゃないか!」と。

それで自分のバックボーンである携帯販売店に紹介で回っていき、1ヶ月無料でいいから使ってみてくれと話をして、講習をして、1,2週間で動画をあげてもらって、コンサルティングのような形まで入ってお世話をしたら、ドッカンと上がったんです。

その後は口コミで広がって、今は困っていないくらいお客さんが入ってきています。でもその反響を得るためには、足を使わないと辿り着けませんでしたね。

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売れているものの理由を考え、インスパイアしていく

ーそうやってコンサルでやれば伸びましたというのはあると思うんですけど、ある種一人でやっていればいいじゃないですか。これをサービスに落とし込むところで、他の起業家さんたちも結構苦戦していますよね。

そうですね。ルールは明確なので、どうやれば実装できるかはある程度見えているんです。ただ「下位者を見てください」とプッシュ通知の寒い感じで来るのと、僕の話を直接受けているのとでは、全然違いますし。

ーここを乗り越えないとスケールしないですよね。

でも100億円調達しているような、EdTechのグローバルモンスターたちは乗り越えていますからね。自分が想像するビジネスモデルの3年先を既に実現してたり・・・たまげましたね。100億円調達すればここまで出来るのかと。笑

ーなるほど、彼らは出来ているんですね。

誰も作っていないものを作りたかったのに「もういるし!」みたいな。笑

「世の中とんでもないことになってんじゃん!」って思いましたね。なので今、参考にできるものは当社もじゃんじゃん取り入れて柔軟に対応するなど、インスパイアさせてもらってます。。笑

ー先ほどのお話と同じですね。真似てみた中から、オリジナルになっていくという。

そうですね。僕、インスパイアしているものはすごく多くて、ChatWorkもそうだしTeachmeもそうだし、元LINEの森川さんがやられている動画メディアのC CHANNELもそう。

森川さんがC CHANNELを作った時に、これからは縦動画だと。若い子は縦で動画を撮るんだと言っているのを聞いて「え、そうなの!」と思って自分のサービスを見てみたら、みんな縦なんですよ。笑

縦で動画を撮る様子を実演する佐藤氏
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ーTANRENは一部横もありますよね?

はい、横も残しているのは僕のオリジナリティです。3割は横で撮るので、横どうするっていうアレルギー反応があって、じゃあ縦をベースに横も残してデザインとして完成させれば、オリジナルの面白いものが作れるだろうって。

ーこれからサービスを作っていこうという起業家にはすごく参考になるお話ですね。

売れているもの、評判の良いものにはその理由が絶対あって、それは著作権を脅かすような話じゃなければ、世の中がより良くなるので真似した方が良いと思うんです。

ある日SNSで森川さんが「これからは縦の動画だ」と言っているのを見て、自分のサービスを見ると「うわぁ本当だ凄い!」と、その瞬間ですよ変える決断をしたのは。

その早さとかが今後の経営においても重要なんじゃないかな、変化に即応しないと生きていけないんじゃないかなとは思いますね。

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企画書から、共に未来を語ってくれる支援者を見つける

ー起業するということの重みを感じます。シビアさというか。簡単に起業して、ダメならいいやという感じではないですよね。

TANRENは起業前、企画書の段階でも苦労しました。持ち歩いて人に会いまくったんですけど、理解者も1人、2人しかいなくて。「全然ダメじゃん!」って。笑

でもとある人に巡り会って言ってくれたのが「佐藤ちゃん、企画書のこの先が見たいんだけど」って。「これ成し遂げるじゃん、それで何が変わるの?」って、未来の話を聞いてくれたのが今の僕の支援者さんです。

一握りかもしれませんが、企画にワクワクして未来の話をしてくれる人、ビジョンを拡げてくれる人と出会えるかが大事ですよね。

ーそういう人に巡り会って、後押しをしてもらったんですね。

そうですね。そして巡り会うためには数をこなさないとダメですね。よく「佐藤さん顔広いですね」と言われますが、その分会いに行っています。僕はスタンス的に相手の土俵で勝負したいので、必ず出向くんです。

例えば飲食系の社長だったら、飲食の時事ニュースや知識を溜め込んでおいて「お前よく勉強しているな」と言われてからスタートですよね。そのスタンスで結構な数を回っています。

これも、ChatWorkの社長の山本さんが、創業当時に経営者1000人くらいに会いに行ったというのを何かの記事で読んで、その真似なんですけど。でもそこに加えたオリジナリティは、自分の相談じゃなくて、その市場のことを知りたいので、社長がどうやって会社を一念発起して立ち上げたのか、創業ストーリーを教えて欲しいというスタンスで行きました。いつか何かの役に立つかもしれないので。

ー元々バイタリティはありますが、何にでも興味を持っていますよね。興味の塊ですね。笑

そうですね、あとはガジェットにも興味ありますし・・・そうじゃないとオリジナルが見えてこない。人と違うということがPRできないじゃないですか。

ー佐藤さんからは、生きる力をビシビシ感じます。

稼がないと家族が食えないので、リアルです。言い訳も何もないですよ。デビューするのも遅かったおやじスタートアップなので、ふわふわしていられないんです。

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子役、調理師、携帯電話販売業界と、特異なキャリアを歩んできた佐藤氏。その唯一無二の経験の中から、時にはトラウマとも向き合って生み出したのがTANRENである。

名優譲り、さすがの表現力を引っさげ豪快に教育について語る姿は、佐藤氏が愛する坂本龍馬にもどことなく重なる。

未来を語る姿もそうだ。見据える先は世界、船にTANRENの旗を掲げ、海の向こうのグローバルモンスターたちに佐藤氏は戦いを挑む。

-End-

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