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【Part1】「家族も会社もお店も車もマンションもなくなって、借金だけが残って」toBeマーケティング代表、小池氏が挑む2度目の起業

2015年に設立し、主にマーケティングオートメーションやSalesforceなどのコンサルティング、導入・活用の支援を行うtoBeマーケティング。

代表の小池氏は学生時代に起業し、一度は若手実業家として7年間会社を経営するも倒産。

全てを失った状態からリクルートに入社して、新たな挑戦をスタートさせた。

小池さん0201-min

リクルートに派遣で入社し、数年でGMまで昇進

ー会社を畳んで、その後はどうされたんですか?

3ヶ月間はやる気が起きなくて、何もしていなかったです。でも借金もあるのでそろそろヤバいなと思って、リクルートスタッフィングに登録したら「面白そうなのが一個あります」と言われて派遣として紹介されたのが、リクルートでした。

埼玉に住んでいたんですけど、リクルートは東京で、今まで電車で通勤なんかしたことがなかったので若干不安でしたけど「まぁ今は選ぶ権利もないし」と思って行ったら・・・凄い出会いでしたね。

ーリクルートでは何をされていたんですか?

FNX(現在は株式会社ネクスウェイに分社独立)という、FAXやメールの一斉配信サービスを売る営業として入りました。

リクルートではビジョンやリーダーシップなど、会社で働くということを学びましたし、あとはITの世界に入る大きなきっかけになりましたね。同じリクルートでも、ゼクシィに行っていたら全然違った道だったと思いますし。

ー当時派遣さんはどのくらいいたんですか?

30人くらいいて、みんな営業でした。

年齢もキャリアも違いますけど、同じ時期に入って、同じルールで新規営業だったので、言い訳できなかったですよね。

ー結果はどうでしたか?

売れました。バックグラウンドが違うとはいえ、みんな自分よりは若かったですし、一応自分で会社をやっていたっていうプライドもありましたし。

でも負けられないというよりは、チームで目標や作戦を共有するとか、みんなで一緒に考えるという経験がなかったので、楽しくて楽しくて仕方なかったんですよね。

ビビりましたよ。この世界を知らずに今まで経営者をやっていたのかと思うと、ぞっとしました。笑

ーリクルートには何年くらいいたんですか?

約2年いて、その後は子会社として分社したネクスウェイを合わせて約8年いました。契約社員から社員になって、最終的にはGMをやらせて頂いて、最大で30人くらいのチームをマネジメントしました。

当時は「いつかまた自分で会社やりたいの?」ってよく聞かれたんですけど、絶対やりたくなかったですね。

会社に所属していた方が、ネームバリューが使えて予算が使えて、チームも優秀で、どう考えても自分でやっていた頃よりも大きなビジネスができる。世の中にも、会社に所属していた方が大きな影響を与えられると思いました。

あとは給与や精神面でも安定しますよね。これだけ条件が揃っていて、なぜ独立を考えるのかと。笑

部下とキャリア面談をしたり、若い人で独立志望とか、一国一城の主になりたいっていう話を聞いたりすると正直「やめといた方がいいのにな」って思いますね。今の環境がよほど辛いなら別ですけど、起業とか独立の夢を勘違いしちゃだめだよと。

ーリアリティがない、っていうのはあるかもしれませんね。本を読んでもメディアを見ても、成功した人の話しか載っていないですからね。

そうですね。その下で何十万人も会社を廃業してしまっている人たちがいるわけで。

小池さん0202-min

セールスフォース・ドットコムを経て2度目の起業へ

ーリクルートからネクスウェイのあとはセールスフォース・ドットコムに転職されたんですよね。そのきっかけはなんだったんですか?

自分が介在することでお客さんが良い方向に変わるとか、そういった体験が遠くなった気がしてたんです。自分がもっと手を動かせるところをやりたいなと思い始めていて。セールスフォースでは当時は、地域とか中小中堅企業を専門で担当するパートナー営業の人がいなくて、今までにない役割を担って欲しいと言われたので行きました。

九州で一つのパートナースキームを立ち上げられたのは、自分の中でも誇らしいですね。九州のSalesforceのお客様が200社くらいになって、そのプラットフォームやスキームの上でお客様にアドオンビジネスをご提案したい、みたいなお話を大手企業さまからも頂いて提携できたり。

ーなるほど。セールスフォース・ドットコムから2度目の独立までの流れはどのような?

セールスフォースも元々辞める気は全くなかったんです。

ただSalesforceと組み合わせたマーケティングオートメーションの領域は、間違いなく伸びると思っていて、それを中でやるか外でやるかの話でした。

市場の動きであったり、支援する人が少ないよねというユーザーの声であったり・・・5つか6つくらいの事象が重なって、最終的にうまくセールスフォースとアラインしながら、外でやろうという判断をしたんです。

ー最初の起業もそうでしたけど、事業をやるための一番良い形が、外に出て法人化することだった、ということですね。

そうです。別に「経営者として一度失格しているので、リベンジするぞ!」とかは全く思わないですね。

ー今はじゃあ、会社をどうしたいとかっていう思いはないんですか?

いえ、リベンジという思いはないですけど、世の中に影響を与えようと思ったら、資本や従業員も含めて大きくしていかなければならないし、継続していくためにはビジネスモデルも成り立っていないといけないので、事業の継続性とか規模は当然すごく考えますよ。

ー売上を何百億円にしたいとか、数字の目標は?

売上目標とか、社数目標とかは今は明確にはありませんね。社内では、自分たちができる振り幅を最大化するということしか今はやっていません。

ー意外ですね。リクルートやセールスフォース・ドットコムでは、数字を積んでいくことを組織としてやっていたと思うんですけど、いざ自分でやる時はそうではないんですね。

フェーズだと思っています。もちろん数字目標の大切さは学んだので、後々そうしていこうとは思っています。

ただ現状、社員みんなが毎日16時間とか働いているので、そこで「月に何千万円いくぞ!」って数字を掲げるよりは、パフォーマンスの最大化とか、仕組み化して拡げる方法とか、効率化とか・・・その方が分かりやすいんですよ。この瞬間で、数字がいくつ足りないとかってあまり意味がないんです。

余裕が出てくると、引き締めたり引き上げるという意味で、数字って大事になってくると思うんですけど。

ー今はもう引き上がっちゃってるんですね。

そうです。ただし、僕がリクルートやセールスフォースで学んだ会社組織としてあるべき姿として、数字を示してギャップを埋めるためにみんなで頑張るというのは、絶対に必要だと思っています。

できる限り多くの中小企業を支援をしていきたい

ー事業の今後について教えて頂けますか。

うちは「1000万円のコンサルを10本取ろう!」とか「一人の力で全力でやろう」とかではないんです。一人が全力でやっちゃった方が楽じゃないですか、でもうちは次のお客さんに横展開できるかとか、サービスとして体系化していくとか、このビジネスらしくないかもしれませんが商品設計にチャレンジしています。

資料は一律になっているか、ナレッジは貯まっているか、マニュアルに反映されているか、管理シートに記載はされているか・・・めちゃくちゃ細かいですよ。

マニュアルも40種類ほどあったり、チェックシートもかなり細分化されていたり、外部のリソースも上手く使って、今は労働集約ですけど、出来る限りその領域のパッケージング化とか、サービス化を進めていきたいと思っています。

いろいろと意見はあるかもしれませんが、一件一件の見積もりもやっていないんです。50万円、70万円、90万円というパッケージング化をしていて、これもチャレンジだと思うんですよ。でも項目も明確にしているので、クオリティはしっかり保っていると思っています。

できる限り限り多くの企業を支援していきたい、というのを実現するためにはこうした仕組み化を考えないと無理だと思ってます。

ーなるほど。今後、会社としてはどこを目指していくんですか?

メンバーとも「これから出来る限り多くの中小企業や地域の企業のマーケティングの支援をしていきたいよね」って話しているんです。

それがもしかしたら、今とは全く違うサービスをやらなければならないかもしれないし、今とは全く違う発想をしなければならないかもしれませんけど、そこは絶対にやっていきたい。これはもうみんなのコミットを得ているので、絶対にやっていきたいんですよ。

小池さん0203-min

「経営者としてリベンジするぞとは全く思わない」

話を伺っていると、小池氏が語るこの言葉の意味も良く理解できる。一度目の起業時も、二度目の起業時も、小池氏は経営者になりたかったというわけでも、起業したかったというわけでもない、ただ目の前の最善の選択が、起業であったというだけなのだ。

しかしその気はなくとも、上積みされた濃密な経験が、小池氏を経営者としてより高みに導いていることに間違いはない。

天国も地獄も経験した今、小池氏は以前とは全く違った視座で、新たなゴールを見据えている。

-End-

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